携帯が鳴った。
それが 花だってことはわかってたから


あえて開かなかった。

とても読む気にはならなかった。


ウザい


削除しようかとも思ったけど そう言うわけにもいかず


花の存在すべてを千尋の頭の中から 削除できたら
どんなにいいだろう。


認めたくはないけど 
花と接して


とてもアタシに勝ち目があるとは思えなかった。



だけど認めたくない

千尋が言うように 花を知るともしかしたら
花のことを好きになるかもしれない


可愛い声 素直な笑顔 大きな目

それが無敵なほど アタシの前に立ちはだかる。


きっとこの先 千尋は花を嫌いになることなんて
ないのかもしれない

じゃあアタシはいつ 千尋をあきらめる?

こうやって千尋と一緒に過ごす限り
アタシは千尋に惹かれ続けてしまうんだろうか