「似てると思わない?」
「え?」
空いたグラスを持って、ドリンクサーバーに来た時だった。
後を追って来た僚の言葉に、俺は首を傾げた。
僚は紅茶を選びながら、斗己と養父さん。とだけ零した。
「どこらへんがだよ。」
「んー…そうだねぇ、」
「紅茶に悩むなや」
俺は注いだばかりのウーロン茶をその場で飲みながら、二人に視線を向けた。
パスタを食べ終えた斗己は養父と一緒に姫乃に英語を教えている。
二人が似ている?
あまり感情を前に出さないこと?
姫乃の面倒はよく見ていること?
「わからん。まぁ、雰囲気は似てるかも」
「雰囲気ね。」
「つかはよ選べ紅茶くらい。」
未だにアールグレイだのダージリンだの唸る僚の脇を小突いてやる。
暴力反対とかお前にだけは言われたくない。
