注文を繰り返した従業員が帰ったあと、俺の隣の荷物を置いていた椅子を片す。
そこに飲み物を持って、斗己がかけた。
「どうしたんだよ。お前が来るなんて珍しいな」
「僚がメール寄越して」
「へー」
お茶をぐびぐびと飲んで、斗己が一息つくと、向かいのソファーに座る養父に視線を移した。
何を言うわけでもなく、ただその目が暗に誰だと言っていて。
俺たちのクラスにきた転入生だと伝えた。
すると、少し目を見開いた斗己は小さく養父に頭を下げてから、「疾風の女かと思った」と一言。
「普段の行い悪すぎだよ、疾風…」
「笑うな僚」
「斗己さすがだね!」
「言うな姫乃」
俺を汀間楽にしてくれるな!
