「てか、進んだのかよ?」
「ばっちり!テスト満点かも!」
「頼もしいなおい。」
ワークを開いて見せる姫乃の頭を乱暴に撫でる。「いやー」と騒ぐ姫乃の口元に笑窪が浮かんだ。
何かもうこいつさ、あれだよな。
マスコット。
「必殺!生クリーム返し!」
「う…」
刹那、姫乃が握っていたスプーンが俺の口へと捩じ込まれた。
ふわりとした食感、口に広がる砂糖とミルクの甘さ…
思わず口を押さえて、急いでグラスに手を伸ばした。
「姫乃てめぇ…」
「し、柴山くん?」
「クッキーとかチョコは平気で食べるのに、疾風ってば生クリームだけは苦手なんだよ!」
「まず…」
