「ごめん。勝手に調べたりして。」
「いや…」
僚が苦く笑って、はっとした。
こいつの家は所謂闇の主という立場の家だ。
どこにどんな敵がいるかも分からないから、僚の身辺にいる人間の素性を調べるのは当然といえば当然なんだろう。
「驚いただろ」
「いや?斗己とやけに通じ合ってるのも、納得できたよ。そりゃ兄弟みたいになるわ」
「や、」
兄弟なんだよ、斗己とは。そう言うと、僚はそう、と頷いた。
どっちが兄貴なのかも分からないし、何より血の繋がりもないけど。
俺と斗己とカスミは、出石園の家族なんだ。そう信じてるんだよ。
「何かさ、んー何て言えばいいんだろ」
「ん?」
「愛とかさ恋とか。分からないんだ」
「わお」
