クロスロード・パズル





「はいはい、お兄さんがぐれちゃうからテスト勉強進めようね」

「はーい」

「養父もバトンタッチね。姫乃のこと、頼んで良い?」

「あ、うん」


パンっと一度手を鳴らして、僚が言う。養父と姫乃が大人しくペンを握った所で、すっと立ち上がると、僚は俺の方を見やった。

「疾風はこっち」と言って。


俺は声は出さずに頷いて、ゆっくりと立ち上がる。

それを見て歩き出した僚に続いて、外に出た。




「何かあった?」

「…いや?」

「あやめと上手くいってなくて、って感じには見えないけど。」

「まあ、」


上手くいってはいないけど、それで感情はふられてない。

随分とあやめには失礼な物言いだけど、正直に僚に言う。僚もまた、そうだよね。なんて失礼にも頷いた。


これが俺のスタンスなのだから、仕方ないんだ。




「何で月命日の度に落ち込むかねぇ。それも斗己じゃなくて疾風が。」

「え、」