「姫乃、テスト範囲分のワーク終わらせるまで帰らせないからな」

「嫌だ!帰る!」

「帰っても家でやらせるからな」

「鬼畜!」


ぺしっと姫乃の額を小突く。そっけなくしたつもりだったけど、上手く出来ていたかは分からない。


あーあ。何だよ。

頬を膨らまして口をすぼめる姫乃を何だか苛めてやりたくなってきた。




「僚ー疾風がいじめる!」

「うん。八つ当たりだねぇ」

「?何に?」


僚はにこにこと笑顔を崩さずに言う。

痛いところをつかれて、俺は思わず苦笑いをした。ぽろり、と回していたペンが指から落ちる。


あーあ。八つ当たり、なのか。これ。