「疾風の爪の垢煎じて飲ませてあげたいよねぇ」 「ちょっと嫌かな」 「でも、良い案かもね!」 「姫乃…」 僚の発案に、姫乃が同意をした。養父は遠慮がちに否定したけど、失礼にも程がある。 何なんだ、もう! 「養父も俺を少し見習ってくれ?」 「うわっ開き直ったよ」 「んー…」 食べ終わった弁当箱をしまいながら、養父ににっこりと愛想笑いを見せてやる。 それに首を捻って、養父は一言だけ応えた。 「好きな人となら。」