「ひ、姫乃?」
「愛花!おかえり!」
「ただいま…」
暫く姫乃が笑い転げていると、養父が屋上に上がってきた。姫乃に預けていた弁当を受け取ると、ちょこんと隣に座る。
その養父の耳に近付いて、こちらまで聞こえる声で「疾風をバカにしてたの!」と宣う始末。
僚は少し落ち着いてにこにこと笑顔を張り付けたままに昼飯を食べている。
鮭ときのこのクリームパスタって面かよ、
「柴山くん、さっきはありがとうね。」
「おー」
「正直、助かっちゃった、」
「まーあいつはしつこいからな」
俺の言葉に少し首を傾げた養父だったけど、僚が「流石元後輩。言うことが違うねぇ」と茶化すと、納得がいったらしかった。
しつこいをどう捉えたのかは分からないけど。
