「姫乃のこと、すごく大切にしてるね」
「まぁ妹みたいなもんだしなー」
「幼馴染みなんだっけ」
小4から。とだけ答えるに留めた。幼馴染みって、正直よく、分からない。斗己とは、どんな関係になるのか、その名前を俺は知らないし。
どう捉えるかなんて、どうでもいい。
姫乃がそう思ってくれてるなら、幼馴染みでいいや。
「そうなんだ」
「手がかかってしゃあないね」
「元気一杯だもんね」
体を横たえたまま、しばらく姫乃の話をしていた。ワサビが苦手だとか、海老フライが好きだとか。
そんなことを話しているうちに、いつの間にか俺はまた目を瞑っていた。
