俺のこと、斗己のこと。ゆらゆらと順番に思いを巡らせて。いつの間にか、眠っていたらしい。ギシリ、と何かが軋む音がして、目を覚ました。
目の前にいたのは、養父だった。
「ごめんね、起こした?」
「や…何でここに?」
枕元に手をおいて、半身を起こす。その動作で、まだ少し体が重いことを理解した。
養父は少し椅子を俺の方に寄せる。さっきの音は、養父が腰を下ろした音だったらしい。
「姫乃が様子を見に行こうって。今お昼だから」
「あー…」
2時間くらい寝てたのか。小さく呟くと、よく眠れたなら良かった、と養父がくすりと笑った。
不二子から預かっていたのだろう体温計を俺に差し出してくる。
