年を重ねる毎に、斗己とカスミは変わっていった。 体つきとか、声とか、 二人の気持ち、とか。 いつからか俺達は手を繋がなくなっていて、でも、いつからか、斗己とカスミは手を繋ぐようになっていた。 「あのね、違うの!」 中学に入学した時だった。 半年ぶりに会ったカスミが、俺に言ってきた。 斗己と手を繋ぐとね、ドキドキするの。 疾風と繋いでも、ほら、私の顔、赤くならないでしょ? 俺の手を掴んで、ぶんぶんと振り回して。 馬鹿みたいに騒いでいた。 それが、カスミの無邪気な笑顔を見た最後だった。