「そんなに良い女だったかー?カスミって」 「まぁ、疾風には分かんないよ」 「良い女かそうでないか位は分かるさ」 また少し、海に向かって手を合わせていた斗己と、来た道を歩き出す。 2年。 カスミがいなくなってから、月命日が来る度に斗己とここに来ている。 その度に少しずつ大きくなっていく身体を見て、カスミはどう思っているのだろう? 変わらずに来てくれることが嬉しい? お前を置いてどんどん成長していくのを見るのは悲しい? 「やってらんね」