一歩、二歩、三歩、 歩く度に、足を進めるほどに。どんどんと、潮の香りが俺に染み込んでいく。 マリンブルーと言うには程遠いけれど、これは、斗己の香りによく似ている。 灰色の石と、青い空のコントラストは、少し寂しい。 眠る沢山の思いは、後悔か感謝なのか。俺には分からない。 けど、海が大好きだったアイツの為に、斗己が選んだのにも納得できた。 「カスミ…」