好き、好きってなんだろう?

愛って?どれが愛?


何で形がなくって、目には見えないのに、共有することも出来ないのに、皆してその名前のモノを理解できているんだろう。

そう言ってしまえば、味覚とか視覚とかも同じなのかな。


皆がケーキを甘いっていうのと同じように。好きって感情を認識出来ているのかな。

その程度に差があるって、それだけ?



もんもんと考えながら、バスに乗り込んだ。

途中のバス停で、別の線のものに乗り換えて、終点が、目的地だった。




「涼しいな」


海からの風が冷たく吹き付けるこの丘は、夏を目の前に控えていても、十分にきもちいい。

潮騒に触れながら、俺は海沿いに進み始めた。