「あきに聞いたのよ!」


どうやら、その友達とやらに直接言われたらしい。それで、おざなりに俺が彼女と事に及んだということに気付いたのか。

説明の手間が省けて良かった。そう思うのと同時に、「あき」に昨日のことを聞かれて驚いたであろう、目の前の女に少しばかり同情を寄せた。




「じゃあ、あきに言っておいてくれよ。お前が進んで服脱ぎ出したって」

「なっ!」

「別れよう」


そこまで、平坦な口調で言った時だった。左頬に痛みが走ったのは。

校舎の影で涼しげな裏庭に、パンっと乾いた音が響いた。


大きく右を向いた顔を戻すと、荒く、肩で息をする彼女がいた。