「ちなみに、疾風はそこそこにもてるから」
「そうだよ愛花!食べられちゃだめだよ!!」
「俺は狼かよ」
「狼よりも質は悪いよ」
あーあ、やってらんね。
ちらりと養父を見ると、俺が狼だろうとそうでなかろうと、どうでも良さそうだった。それはそれで、少しショックかも…。
「で、誰?」
「養父です…」
順番に自己紹介、他己紹介が終わった。次は斗己の番だ。
だけど、当の本人は我関せずで、ぬけぬけとそんなことを言う。
「疾風の?」
「ちげぇよ。転入生」
俺の女だと思っていたのだろう。「珍しいと思った」そう言ってまた、斗己は唐揚げを頬張っていた。
失礼な奴だと睨んでも、斗己はこちらに視線を向けはしなかった。
