クロスロード・パズル





「えーと、改めて養父愛花です」

「僕は村岡僚」

「姫乃です!」


姫乃と俺は弁当、僚は親子丼と言っておきながら担々麺、養父はカルボナーラ、斗己は唐揚げ定食。

各々の昼食が揃ったところで、改めて自己紹介が始まった。


姫乃はニコニコしながら、名前だけを言い、それに養父が笑う。

姫乃ちゃん、と言うと、姫乃!という反応が返っていた。




「じゃあ、私も愛花ね」

「え、照れちゃうなぁ」

「僚じゃねぇっての」


頭をかいた僚をどつくと、坦々麺が鼻に入ったらしい。見苦しい程にもがいて水を飲む始末だった。

ふざけんなよと、目が座っている。さらには、テーブルの下で足を蹴られて、俺は大慌てで詫びを入れた。


斗己は、素知らぬ顔して唐揚げを頬張っていた。