クロスロード・パズル





「パパはそんなに甘やかしません」

「パパのけち!」

「こら」

「もう洗濯物一緒にしないでよね!」


よくある茶番を姫乃と演じていたが、最後の一言にぐさっと胸を抉られた。いくら冗談でも、少し胸に響きすぎる。

俺は胸を押さえながら、僚にバトンタッチっと呟いた。




「え、やだよ」

「パパ泣いちゃう…」

「疾風大袈裟!…でもお父さんには言わないでおくね?」

「あぁ、そうしてあげて…」


おじさん、本当にお前のこと溺愛してるから。そう言って姫乃の頭を撫でると、素直な返事が返ってきた。

そして、姫乃にまだ反抗期が来ていないことに少しほっとした。




「あー!愛花ちゃん笑ってる!」

「あ、ごめん…」

「ううんー!」


嬉しいよ!と素直に喜ぶ姫乃に、また養父が笑った。その二人を見て、俺と僚も表情を緩める。

みきてぃの采配は、中々かもな。悪くない。

そんな風に。