クロスロード・パズル

 



「て言うか。何で俺が偽なんだよ」

「普段の素行が悪いからだよ」


疑問を言うと、何言ってんの。と僚に笑って指摘された。

素行の悪さ?来る者拒まず、去る者追わずのスタンスの、どこが悪いんだよ。来る者寄せ付けずの僚の方だって、そこそこに悪い気がするっての。


俺はつまらないとでも言うように唇を突き出して拗ねる。けど、そんな俺にはお構いなしで、姫乃は養父に話をしかけていた。




「でね、養父さん。みきてぃに言われてると思うんだけどさ」

「うん」

「教科書が揃うまで僕が見せるから。それと、昼休みに校舎内を案内しようと思うんだけど、お昼はお弁当?学食?」

「ありがとう、ごめん学食なんだけど…」

「ん、了解」


喋り続ける姫乃の話の腰を折って、僚が養父に声をかけた。こういう役回りは、一見物腰が柔らかな僚が適任だ。

確かに、俺の隣じゃない方がいいかも。俺にはできねぇや。