テスダ2号

手須田 一強
そして
手須田 二強(2号)

彼らは双子として生まれた。
一卵性双生児である。

MSF今世紀最大の
実験のために
作られた遺伝子。

2人が生まれたのは
予想外であった。

より強固な遺伝子
一つを設定された
「母親」の体であったが
その実験に母は疑問を持ち、
妊娠後まもなく
実験室を脱走。
後、保護されるが
その時、体には
二つの遺伝子が宿っていた

10カ月後、2人は生まれる。
あらゆる検査の結果、
テスターとしてより優秀なのは
「一強」であった。

一強には双子の兄が
いることは知らされていない。
が、二強にはすべてのことが
知らされている。
二強は、MSFの研究室で
日々過ごしていた。
一強の非常事態の時には
いつでも救えるように。

二強にはアイリス記憶機能はない
一強のことをいつも
近くで見守っていた。

そして今
二人は生まれて初めて
言葉を交わすのである。