涙の先のキモチ




 
  てか、この人さっきは暗くてわからなかったけど、カッコいい人・・・。

  短髪の黒髪に、切れ長の二重、高い鼻。

  まるで雑誌から飛び出して来たみたいな、スタイル。

  この服装を除けば・・・。


  あきらかにちゃらいオーラの服装。

  私が見ていたのが気になったのか、自己紹介をし始めた。

  「俺、風間亨平。桜華と同じ高校の3年。
   ちなみに、こんなチャラチャラしてるけど、一応学年主席だから。」

  うそ、この見た目で!?見た感じカッコいいけど、

  それ以上にチャラさが勝っている・・・。

  頭いいなんて、全く見えない・・。

  「桜華、今俺の事、『うそ、この見た目で!?』とか思っただろ?」

  「へ!?」

  亨平さんが思っている事を当てたのでびっくりして、思わず変な声が出てしまった。

  「まぁ、同じ高校の先輩としてこれからよろしくな」

  「よろしく、お願いします。風間先輩。」

  「亨平」 
   
  「え?」

  「俺の事亨平って呼べ。」

  「はい、分かりました。」
 
  なんか、ものすごーく亨平のペースに流されてる気がするんですけど・・・。

  「あと、タメ語で。敬語とかキモい。」
  
  「わかりました、じゃなくて、わかった」

  「それでいい」

   私がタメ語にしたのがよかったのか、亨平は満足そうな顔をした。

  「じゃぁ、もう倒れんなよ!また、明日な!」
  
  「うん、明日」
 
  亨平は、笑顔で私に手を振ったから、私も振り返した。

  亨平って、笑うと太陽みたいに安心する笑顔だなぁ。