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「しょうがないなぁ」

〈ありがと、華音〉

美沙、無事だったし、いいよね。

「あ、それで、電話で言ってたことって…」

〈そのことなんだけど、私もびっくりしちゃった!〉

「だろうね」

〈私が思い描いてた顔で、性格とか喋り方も私の創造通りなの!〉

「美沙、どんな設定にしてたの?」

〈あのね、ロールキャベツ男子♥〉

「おぉ、いいじゃん!」

〈そぉなんだよねぇ♥〉

「ま、たまたまでしょ」

〈だよ、ね〉

「それで、付き合ったの?」

〈うん、付き合ってて…〉

「やっぱり…」

〈うん…あ、華音もしたら?〉

「やってみよう…かな?」

〈するべきだよ!〉

という美沙の強押しを受け、擬似彼氏をすることにした。