デリートボタン

初めての怜くんの家に来ると、怜くんの部屋であろうところに私を引っ張り込んだ。

─ドサッ─

『続き、ね?』

「怜くんっ?!…んんっ…」

首筋にキスを落とされ、全身にしびれが走る。

「まっ、待ってっ!…あっっ…」

『どうして?いいじゃん』

「あの…れ、いくん…んっ!」

怜くんの大きな手が、私の胸を包んだ。

「だめっ、だめだってばぁっ…っ…」

『…うるさい口』

「え?…んっっ…」

突然のことに、どうしていいか分からなくなった。

「っ…うぅっ…あっ…んんっ…」

涙が溢れた。

ほんとうに、何が何だか頭の中がごちゃごちゃで、整理するのにまだ時間が必要だった。

「…めっ…やめ、て…お願いだからぁっ…」

『…もういい、帰れよ』

「え?」

『…』

怜くんは私に背を向け、ベッドの上に座っている。

なぜか、すごく腹が立った。

「怜くんにとって私って何なの?」

『は?』

「シなきゃ、彼女じゃないの?シなきゃ、私なんていらないの?」

『意味分かんねぇよ』

「分かった、そうゆうことなんだね」

『は?…ちょっ、おまっ!』

私はむしゃくしゃして、制服のボタンを自分で外して、服を脱いだ。

「これでいいでしょ?!シたいなら、すればいい!」

『…いいから、もういいから…だから、もう帰れよ!』

「何よ…それ…そっか、怜くんは私なんか嫌いなんだね」

『何でそうなんだよ!…たらいんだろ…』

「え?」

『シたらいんだろ!』

怜くんは私に怒鳴り、ベッドに押し倒した。

そして、手を頭上で固定し、私の胸に顔を埋めた。

「だ、め…も、やだ…あっ…んんっ…」

『お前が悪い』

そう呟くと、怜くんは手を内太ももに滑り込ませて来た。

「やぁっっ!…あぁっ…」

『…だ』

「んんっ…」

『好きなんだ…だから、だから…』

怜くんは自分に言い聞かせるように呟いて、私を悲しそうに見つめた。