デリートボタン

いつの間にか入っていた怜くんの電話番号に、電話をかけると、3コール目くらいで出た。

「もしもし、怜くん?」

『…何?』

「さっきはごめん、ね」

『…うん、もういいよ』

「今から…会えません、か?」

『…いいよ…そのかわり、…ても知らないよ?』

「え?」

『何でもない。じゃあ、桜の木公園で待ってる』

「うん、すぐ行くね」

私は、桜の木公園まで全速力で走った。