「シェリー、これを見て。」 「扇?」 私はシェリーの手に一つの扇を乗せた。 桃色の少しくすんだ花の扇。 「そうよ・・・この扇もかわいそうなの。私が愛した人から頂いたらしいのよ。」 「お父様から?」 「ええ・・・この扇はあなたにあげるわ。大事に持っていて頂戴。」 大きくなってくる兵士の罵声。