「死ぬなんて言わないで。」 「・・・リリー妃。俺があなたに一番最初にあった時に渡した扇、覚えていらっしゃいますか?」 古い記憶をたどっていく。 桃色の少しだけ薄汚れた和紙でできた日本製の扇。 「ええ、大事にしまってあるわ。」 「俺があなたを守れなくなったときはあの扇を広げてください。あの扇には俺の魂が入っています。」 アランに妖術なんて使えたっけ。 でも、アランが言うなら間違いない。