「どんな魔物からもリリー様をお守りいたしますよ。」
魔物・・・
そう、このハーネス王国は魔界に存在する。
私だって姫といえども自分の身は自分で守るのが教訓だからある程度のご術系魔法は身に着けている。
「リリー様、それより庭園の桜が素晴らしいですね。」
「ああ、お父様が日本から取り寄せた千年桜ですから。当り前よ。」
「少し、一緒に散歩でもいたしませんか?」
そういうと私の手を握った。
いたしませんか?ってほぼ行くこと確定じゃないの。
まあ、大人の政治事情の話を聞いてもつまらないだけだし。
「いいわよ。」
アランの手を握り返した。



