だからこんなに手が小さいんだ。 銀色のつややかな髪、整った顔立ち。 2つ下とは思えないほどの品格。 「小さい手ね。」 「お気に召されませんか?」 「そんなことないわ、頼りないなって思っただけよ。」 いつもならここでお母様のお小言が飛んでくるけどアランのお母様とお話になっていた。 「見かけで判断しないでいただきない。これでも腕には自信があるゆえ。」 「ふふっ、楽しみね。」 私が意地悪なことを言ってもにこやかに反してくる微笑みがやけに気に障る。