【短】花ひとひら




「立派な木ですね・・・確かに。このように暖かいのに蕾のままですけど。」




「・・・そうなの。」






幹にそっと触れるとカーネスの妖術のせいかジリリと痛みを感じた。




「私が思うにこれはあなたが私より早く死んだ年の春に咲くわ。」









風が舞う。







「そして・・・これが咲いたとき私は記憶の中のあなたを失う。」




「リリー様!」



一滴の涙が流れた。