【短】花ひとひら




あれから誰にも触れられたことのない手だったから。




「それで戦いは終わったわ。・・・でも、カーネスは頭の切れる意地悪な剣士だった。最後にこう言ったの。





『お前の愛する者を失うとき花とともにそのものの記憶もお前から消えていくだろう。満開になった後に散る、桜のようにな。』




って。


私はその時はどういう意味か分からなかったの。
この千年桜は庭園の西側に咲いてるの。でも、東側にもう一つの桜があった。その桜は何回春が訪れても咲くことはない。きっと、カーネスが言っていた桜はあの桜のこと。」






私の王家に隠された秘密。



それは10歳の私には重すぎる真実だった。