【亜紀side】

朝からたくさんの幸せを貰い、

最高の一日になった今日。

・・・

宗吾より先に仕事を終えた私は、

宗吾や光輝、光司に帰る事を伝えた。


「もうすぐ仕事が終わる。

待っていたら、一緒に帰れるんだが?」


宗吾の提案に、

いつもならうんと頷く所だが、

今日はそれはどうしてもできなかった。


「…友達から、呼び出しがあったんです。

たまには外で食事しようって」

内心ドキドキしながら、

でも、表はいたって冷静に、

笑顔で伝える。

・・・

私のウソは通用するだろうか?

そんなことを思いながら、

宗吾をまっすぐに見つめる。


「そうか。

たまには友達と食事もしたいだろう。

ゆっくり楽しんでおいで」

そう言って宗吾は微笑んだ。