私の言葉に、

亜紀は何度も首を振る。

「そんなこと絶対にありません!

今もこんなに幸せにしてくれる宗吾さんと、

一生一緒にいられるだけで、

幸せです・・・

宗吾さんの為なら、なんだってできます」


不安げな顔が一変し、

真剣な顔でそう言った亜紀。

私はその言葉に満足し、微笑み、

亜紀をギュッと抱きしめる。

・・・

「二人で幸せになろう・・・」

精一杯の愛をこめて、

亜紀の耳に囁いた・・・

・・・

身支度を済ませた私たちは、

光輝の迎えで仕事に向かう。

最初は私の後ろに付いてる亜紀が、

珍しかった社員達は、好機の眼差しで、

亜紀を見ていたが、

今はもう当たり前になって、

何の違和感もなくなった。

婚約者だと言う事は、まだ公表していなかったが、

これを期に、公表することも考えていた。