「なぜ、泣く?」

私の目をそっと拭って、

宗吾が問いかける。

・・・

「だって、嬉しくて・・・」

そう言って宗吾の顔にそっと触れる。

想い続けた人と、付き合えるようになって、

それだけでも嬉しいのに、

婚約だなんて・・・

・・・

「亜紀よりだいぶ年上だが、

こんなオヤジでも、いいんだな?」


「?!」

お、オヤジって・・・

その言葉に目を見開く。

宗吾は私の反応を見てクスクスと笑っている。

・・・

「そんなに驚く事でもないだろ?

実際にそうだしな?」


「歳の差なんて、気にした事無かったです。

・‥って言うか、この場の雰囲気を、

壊さないでくださいよ」

そう言って苦笑いする私。


もう、スッゴクいい場面だったのに~と、

少し拗ねてみせると、