○女神湖畔、夜
   車止めに4駆がとまっている。
   星空を眺めている運転席の若林。

○美しい星空
若林の声「綺麗な星だ。はしごをかければ
   天まで届きそうとはこのことだな」

○美しい星空と4駆のシルエット
   星空が次第に曇ってくる。

○レジャーランド、内、早朝
   濃い霧の中、ジョギングする若林。

○同、遊戯エリア、早朝
   濃い霧の中遊戯エリアにさしかかる若林。
若林「今日は避けて通ろう・・・」

   濃い霧の中から晶子が現れる。
晶子「おはようございます。・・・・
   昨日はほんとにすみませんでした」

   若林、立ち止まり振り返る。
若林「おはよう」

晶子「斉藤晶子といいます。昨日は急に声をかけ
   られたので、ほんとにびっくりしちゃって」
若林「こちらこそ、申し訳ない」

晶子「神奈川県の川崎から来てるんです。
   今年で2年目。小学生のときからハムスター
   がとても好きで、ほんとに自分でもどうし

   ようもないんです。一人一人名前をつけて、
   色んなおしゃべりをしていると、一日が
   あっという間に過ぎてしまうんです」

若林「ごめんなさい。夢中でお話されてる時に
   突然声をかけてしまって」

晶子「いいえ・・・・。あの?」
若林「あ、若林ていいます。小説書いてるんですが、
   親友の北山がここの支配人やってて・・・
   9月末までここにいます」

晶子「そうですか。これからも毎朝ジョギング、
   がんばってください」
若林「ありがとう。じゃ、ハム君たちによろしく」

   手を上げて若林、濃い霧の中を走り始める。

○ボーリング場、内
   一人でボーリングする若林。

○坂道、夕
   坂道を上る若林。

○寮、浴室、内、夜
   湯船につかっている若林。
   思い出し笑いをする。
若林「ジョギング頑張ってください、か」

○イメージ
   霧の中の晶子の美しい顔。
晶子「ジョギング頑張ってくださいね」

○寮、浴室、内、夜
   湯船につかっている若林。
若林「よし、がんばるぞ!」
   若林、大きく息を吸って湯の中へ潜る。