「おいおい、そんなに怒るなって」
「これで怒らない人がどこにいるのよ!!…あんたの親のせいで…あんたの親のせいで!!」
わかってた、この人を責める理由はないってことくらい
悪いのはこの人の親、この人は悪くない。
だけど、責める言葉しか出てこなかった
ついには涙も出てきた
「俺と付き合うって言うなら、お前の父親が今どこにいるのか教えてやるよ」
「…は?」
「俺、お前の父親がどこにいるのか、知ってんだよね」
頭がパニック状態。
私のお父さんの居場所を、知ってる?
なんで?なんで知ってるの?
知りたい…でも、知りたくない
もう、会いたくない
会っても何話していいか分からない
「どーする?」
悪魔のような笑みで問いかけてくる
その笑みを見て、私は身震いした
むかつく、もあるけど怖い、もある。
やっぱり男は嫌いだ
「…断る。親の居場所なんか、知りたくない」
「…チッ。ま、いいや。…」
なにか意味深な笑顔で私を見つめると
私の両腕を片手で押さえつけて
私のポケットに入ってたケータイをとった
「ちょ、何すんのよ!!」
「んー?俺の連絡先入れてんの」
「は?!勝手なことしないでよ!」
取り返したいけど片手とは思えない力で押さえつけられてる
身動きがとれない…
「よし、完了。絶対消すなよ?てか消せないようにしたけど」
ケータイを返されたと同時に、
両腕が解放された
「あんたなんか、大ッ嫌い!二度と私に近づかないで!!」
私は逃げるように広場を後にした
「絶対、俺のものになるよ。千夏チャン」
私はこの言葉に気が付かなかった
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