なんて思いながら、勇人とだらだら喋りながら民宿にたどり着いた時だった。



「はぁ?だから、泊めろって言ってんだよ」



「お客様、落ち着いてください。今日は貸し切りなんです」



「貸し切り?!んなもんしらねーっつーの!」


お客と思われる女と女将さんが話しているのが聞こえた。


金髪で、チャラチャラしてる女。



俺は、その女を知っている。



「お、おい健太。あれってまさか…。」



「…あぁ、そうだよ。」



やっぱり勇人もわかったか。



あの喧嘩腰に物を言う態度、


声、顔、


間違えなくあれは、




「俺の母親だ。」