私はさっきの余韻で
動けずにいた。
「ったく、本当に置いてくぞ」
そう言って
私の手をとって藍斗が再び歩き出す。
って、は⁉
手!手!
藍斗さーん!手!
心の中では激しく訴える。
けど、もうパニックで
言葉が出てこないよ…!
くるっと私を振り向いて
「ふっ、また真っ赤だ。」
ちょっとだけ
手をぎゅって握りしめられた。
「…〜///」
こ、これは
どうしたらいいの⁉
握り返してもいいの…かな?
勇気を出して
ちょっとだけ力を加える。
あれ…?
気のせいかな?
ちょっとだけ見えた藍斗の顔は
私と同じで真っ赤