「……」


「……」




帰り道。



いつも沈黙。





もともとあんまりしゃべらない平田くんと


人見知りな上に緊張しっぱなしの私。






家の方向は反対なのに

いっつも私のを家まで送ってくれる。





前に


『家近いからいいよ。』


って言ったら


『俺が一緒にいたいから』


そう言ってくれた。





…でも


私なんかといて楽しいのかな?





ほら、今だって無表情。



私は一生懸命顔が緩むのをを我慢してるのに。



平田くんは緊張しないのかな…。




こういうとき


すっごい不安になってしまう。




平田くんは私のこと好きじゃないのかな


って。




「はぁ…」




知らぬ間に漏れるため息。




どうしよ…

平田くんの前でとか失礼だよね?



焦って平田くんを見上げる。




「あ、今日初めてこっち向いた」



そう言って笑う平田くん。




私のため息なんか気にしない余裕な笑み





平田くんだって…


こっち向いて笑うの
今のが初めてじゃん。




不安になってるのに




平田くんの笑顔には無条件で

私の心臓はうるさく脈を打つ。




こんな気持ちになってるの


どーせ私だけだ。