あれは、入学してすぐのことだった。




放課後、私は先生に提出しないといけないプリントを持って渡り廊下を歩いていた。



そのとき、風が吹いてプリントが飛ばされた。




「あ、プリント〜!」



やばい、どっかいっちゃうって思ったときだった。




私の5mぐらい前を歩いていた背の高い男子がプリントをキャッチしてくれた。




「はい」




「あ、ありがとうございます」




顔をあげたときだった。