消えた同級生【玩具の女編】

俺は動揺していた…

上野は未来を見ている。生きることに、幸せになることに向かっている。

でも俺は?

俺は幸せになることを放棄した。罪を償うために…
俺は過去を見ている。発展のない、過去。

俺は未来を見てもいいんだろうか、蒼湖。教えてくれ…今でも俺を憎んでいるのか?憎くて幸せになってほしくないなら出て来てそう言ってくれ!でなければ俺は…

上野を選んでしまいそうだ…






放課後のチャイムと共に上野が教室を飛び出す。

俺は慌てて追いかけて上野の腕を掴んだ。

上野は掴んだ相手が俺だと気付いた瞬間、パッと顔を紅く染めた。

「な、な、何?」

「今日は来ないんだな?図書館に行くんだろ?」

「う、うん。と、と、図書館にいる!」

俺は腕を離し、じゃあと手を挙げた。

上野も軽く手を挙げそそくさと走り去った。

「…なんだ、寒河江。何つっ立ってるんだ?」

担任尾賀が後ろから話しかけて来た。