気付くと、私はまた暗闇に立っていた。
目の前の蒼湖は顔を歪めながら楽しそうに、俯せに倒れている寒河江に刃物を刺している。
止めて…
私の心が叫ぶ。
そんなに殺したかったの?寒河江を…
『チガウ…』
え?
『コロシタクナンカナイ』
蒼湖?
私が顔をあげて蒼湖を見ると、蒼湖は寒河江の死体を見ながら泣いていた。
「違う!私は殺したくなんかない!ただ…」
そう言うと暗闇の方へと走り去ってしまった…
私が慌てて追いかけると、いつの間にかそこは海の中で、私は下へ下へと向かっていた。
真っ暗い底まで来ると、小さな岩場にわずかな光を漏らしている箱が置いてある。
私が箱に触ろうとした時、岩場の奥に蒼湖がうずくまっているのを見つけた。
「それに触ってはダメ」
「……この箱は?」
「あなたも少し見たでしょ?それは悲しみの箱。決して開けてはいけない、パンドラの箱。」



