虚しい気持ちで家に帰る。
「ど、どうしたの?」
「何でもない…」
「……」
瑠璃は黙ってご飯支度を続けた。
俺は黙って制服のままベットの上に俯せになる。
カタカタ、コトコトという台所の音が少しだけ心地よかった。
「緋色、きな!」
突然瑠璃に呼ばれ、俺は黙って台所のテーブルに行くと、そこにはホットケーキと生クリームとフルーツでできた手作りのケーキがあった。
「なんか嫌な事でもあったんでしょ?甘い物食べて元気だしな!ね?」
俺はその手作りケーキに感動していた…
ケーキがホットケーキでも作れると初めて知った日でもあった。
瑠璃、あの日の味は今も忘れられない…
あんな美味いケーキは、あれ以来食ってないよ。
「…俺の好きな女が、教師とヤッてたのを目撃した…」
「マジ!?あっちゃ〜、そりゃあ大人でもキツイよ!」
俺がケーキを半分くらい食ったのを見ながら、瑠璃は夕飯の支度を続ける。
「汚い…」
「え?」
「蒼湖は汚い!」



