目の前に泣いている少女。


俺は
抱きしめることも慰めることもできない。


自分から突き放した彼女。

俺は新川が好きだった。



可愛い笑顔で振りまいて
優しい新川が好きだったんだよ。


でも俺は恋愛できない体だから
新川に恋することもできない。


人はみな、平等。なんて言うけど
全然平等じゃねーよ。

俺だって普通の体に生まれたかった。



恋をして、家族を作りたかった。


あの3ヶ月の俺の命、
お前を泣かせないためにも
お前から俺の記憶を消してくれ。