何が起こっているのか分からないまま、俺は強い衝撃と光に吹き飛ばされた。

「コウキ、元気でね…」
珍しく目に涙を浮かべアカシが俺に向かってそう言った。
「おう!」
「コウキ、絶対連絡くれよな!」
ヨキもとても寂しそうだった。
「おう!」
俺は出来るだけ暗い雰囲気にならないように、つとめて明るい返事をした。
ナツメも俺に何か言いかけたが、途中で黙ってしまったので俺もナツメには敢えて声をかけなかった。
そしてみんなが見送る中、今まで通い馴れた校門に背を向けて歩き出した。
俺が引越してからもヨキとは度々連絡をとっていて、ユウナがあの日風邪で欠席して最後に俺と話せなかった事を残念がってたって言うのも後からヨキに聞いた話だ。

新しい学校にはすぐに馴染んで友達もたくさん出来た。
だんだん親友だったヨキともすれ違いが起こって、そのうちどちらからと言うわけでなく連絡を取らなくなっていった。
親友だった筈なのに俺もヨキも薄情だよな…
でも中学生の俺達にとって、電車で片道1時間半の距離は遠過ぎたんだ。

キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン

俺は学校のチャイムの音でビックリして飛び起きた。
そして何でこんな所で気を失ってたかを必死に思い出そうとしていた。
そうだ!あの得体の知れない光から発する衝撃で吹き飛ばされたんだった…と俺は辺りを見回す。
すると5mくらい先にアカシがボーッと突っ立っていた。
俺、5mも吹き飛ばされたのかよ?と思いながら、ふと「あれ?アカシ以外のやつらはどこに行ったんだ?」と思った。