「ま…眩し…」

「アカシ!」
呼ばれて振り向いた先にいたのはヨキとナツメだった。
「俺らこれからサッカーするんだけど、一緒にやらね?」
ヨキが言った。
「アカシが来てくれると助かるな…人数足りなくってさ」
とナツメも便乗して言った。
「う〜ん…あたしも暇っちゃ暇なんだけどぉ〜…」
チラッと二人を見る。
「後でジュース奢るから、お願いします!」
二人は頭の上で両手を合わせて「頼む!!」ってポーズをした。
「んも〜!しょうがないなぁ〜」
って口では言ったけど、ジュース奢ってもらえると思ったらテンション上げ上げ。
「アカシがいると何か勝つんだよな!」
ヨキが言うとナツメが横でウンウン頷いている。
「そりゃ〜そうじゃあ〜ん?あたしは幸運の女神なんだからさっ♪」と冗談言うあたしに「その通り!!」なんて二人して言ってたけど、ホント調子いいんだから。

いざサッカーをって思ったら、学校のグラウンドが空いてなくて、近くの公園のグラウンドに移動になっちゃった。
ここって狭いんだよ…。
でも後のジュースの為に我慢!って、どんだけ食い意地張ってんだろ、あたし。

試合開始からちょっと経った頃、余所見をしてたあたしの顔面に向かって誰かが蹴ったボールが勢い良く飛んで来た。
あたしはそのボールを除け切れず、顔面でボールを受ける羽目に…。
ボフッ!!
凄い衝突音がしてボールとあたしの体は宙に舞った。鼻血と共に…。

あいたたた…。
あたしは頭を抱えて起き上がった。
「あれ?あ、そうか…」
アカシは過去の夢を見ていたらしい。
あの時まではヨキとナツメも仲良かったんだよな…いつからあんな風に犬猿の仲になったんだっけ…と思いながら、ハッとして周りを見渡たした…が、誰もいない。
でも掘り起こすために使ったスコップやらクッキー缶らしき物は中途半端に掘られたまま、そこに放置されていた。
みんなは何処に行ったんだろう?
あの光は何だったんだろう?
何だか凄く胸騒ぎがした。