「ちーよーこれいとっ!」

「ねえ、」

「じゃーんけーんぽん!」

「ねえって!」

「おまえだよ、」

私の右手を指さしながら

早く行けと言わんばかりに

ほらっと口にする。

「じゃーなくて!

何で高校生になってまでグリコ?」

「んー、なんでだろうね。

いいから、ほら!」


「ぐーりーこ!」

「よし、じゃーんけーん」

「ちーよーこれいと!」

「ねえ、」

「ん?」

振り向きもせず声だけで返事をする。