沖田side






太陽が目覚めて、見守って、眠ってしまっても、


僕は布団から出ることができないでいた。



池田屋の時に吐血してしまってから体の調子があまりよくない。



医者に診てもらえと土方さんは言うのだけれど、今、先生は江戸にいて診てもらえないし、何より、自分の体だ…大体解かっている。




それが只の病ならこんなにも一日が経つのが怖いだなんて思わなかったのに…



―――トントン



「沖田さん、月華です」



そして、また君は此処に来る。




「もう来ないでって言ったよね?」


「ふふ、そうでしたね。」


「ならなんで?!僕を笑いにきたの?!それとも同情?!」



君がそんな子じゃないことくらい解かってるんだ、けど、弱ってしまっている心が悪い方にしか考えられない。



僕より冷たい手が僕の額にピタリと張り付いた。



「今日は熱はありませんね…ススムが用意してくれた薬飲んでください。
あと…あ、このお粥、冷めないうちに食べて下さい。
これを食べればきっと貴方も元気になるよ」



「そんなの…」



「はい、食べて!」




ふたが開かれた土鍋からはネギの匂いが香る。