「平助っ!!!」
急いで床に落ちた刀を拾い上げ走り出したけど、間に合わない。
声で気付いた平助は時斗の攻撃を刀で受け止めるが、額当てがするりと取れてしまう。
そこを狙ったかのように時斗は刀を振りかざした。
「うわぁぁぁぁ!!」
額を押さえ崩れ落ちる平助を見下し口調は私に向けられた。
「見ておけ!仲間が死ぬ瞬間を!」
高く上げられた刀は平助に向かって振りおろされたがキィィンと刀がぶつかる音が響いた。
「平助!」
「へへっ、あんま舐めないでくんねぇか、なっ!!」
時斗との距離をとる。
そんな時、
「月華。」
平助が私の名を呼んだ。
「生まれてきちゃいけねぇ人間なんていねぇんだからな?」
何も言っていないのに、平助にはわかってしまっている。
「馬鹿なことを…てめぇも死ねっ!」


