血が飛び散った。
銀色に光る刃は兄様の心の臓を貫いていた。
「兄様っ!!!!!!!!!!」
兄様が話せる訳ないと解かっているのにその零れている笑みからまるでごめんと言っている様だ。
「時斗っ!!!!!!!!」
「…ねぇ、覚えてる?
無力な花は咲くことが許されないって」
「っ、!」
怒りに任せて腰にぶら下がる刀を構えた。
「ははっ、そうだったね、君は二刀流だったね」
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
二本の刀を勢いよく振り続けた。
「大体、君が悪いんだよ?
知っているかい?
俺等の家は本当は対立などしていなかった。
対立してしまったのは、君が生まれてから。
小さいながらも一際目立つ君の容姿がその村を振るわせた。
どこのどいつも君を狙った。
自分のものにするために。
君は人を引き付けるからね
そんな時二つに分かれたんだ。
君を守る側と君を奪いに行く側。
もちろん、まだ俺の家は守る側だった。
けど、君を守ったことによって母は殺されたんだ。
何者かによって。
そこからだ、俺の家と君の家が対立しだしたのは…」


